俺は、いち早く彼女を保護して結婚したいところだが、

彼女の気持ちを尊重するべきだ。

「・・・、私は、笑いたい」

彼女の瞳から、涙があふれる。

「分かった」

彼女の頭に手を乗っける。
「大丈夫だ」

それ以上何も言えなかった。

俺は、恵まれていたから。

何かすると、父上や母上が喜んで、ほめてくれた。

毎日、温かい料理が食べられている。

リーサと比べれると、俺は本当に恵まれている。


数日後、リーサは家を出て、俺の家で住むことになった。

「ルート様、散歩にいきませんか?」

彼女は、前よりも笑うようになったし、俺を見ておびえなくなった。

「ああ。行く」

俺は、リーサと手をつなぐ。