俺は、ルート・ウェマー。

この国の王子で、アリー学園の生徒でもある。

「ルート」

後ろから、エイリー・バンデットの声がする。

「エイリー、なんだ」

俺は、ゆっくり後ろを振り返る。

「ねえ、中庭でお茶会しない?」

エイリーは、明るくて髪の毛が少しピンクで、日差しに当たるときれいな色になる。

「すまぬ。今日は、婚約者と会う約束をしてしまったから、無理だ」

そう。俺には婚約者がいる。

「ああ、あの、びくびくしてる、リーサ・カイマ?」

「そうだ」

俺の婚約者・リーサは、俺に会う日、びくびくして顔を青くする。

「まあ、理由はなんとなくわかるんだけどな」

「じゃあ、聞いてみたら」

「はあ?」

何を言っているんだ、コイツ。