急に、洸くんが笑い出す。

「ふっ、ふふ」

つられて、私まで笑ってしまう。

「なあ、俺のためにこれからも生きてね」

洸くんは、私の手をグイッとひっぱり、私に抱き着く。

洸くんの吐息が耳元にかかる。

「う・・・ん」

恥ずかしい。

「私は、洸くんのために生きる」

「俺は、茉乃のために生きる」

お互いに、見つめ合って少し笑い合う。

洸くんは、私の光だ。

私の生きる意味だ。

私は、洸くんに目掛けて海水をかける。

水滴が、空中を舞う中、笑顔の洸くんが目の前にいる。

その時の、笑顔がとびきり、きれいだった。