久しぶりに聞いた声を、俺は忘れるはずがなかった。

「水桜!」

「うん」

俺が水桜の名前を呼ぶと彼女は、うれしそうに微笑む。

「私さ、久咲のことが好き」

「俺も」

まさか、彼女も俺のことが好きでいてくれていたなんて。

「約束」

「何を?」

水桜は、可愛く首をかしげる。

「ずっと、これからも一緒にいる」

彼女は、顔を少し赤らめる。

「可愛い」

俺は、水桜に聞こえないようにボソッとつぶやく。

そうして、俺たちは、カレカノになった。

夏になると、花火大会に行き、花火を見た。

秋は、一緒に楓の木などを見に行った。帰りに、俺は、初めてのキスをした。

冬は、クリスマスプレゼントにマフラーをもらった。