後ろから声がする。

「なんですか?水川くん」

私は、振り返って冷たい視線を送る。

「いや・・・」

水川くんは、私が睨んだのが意外だったのか、

何かを言うのをあきらめて、どこかに行ってしまった。

「なんなの?」

訳が分からないまま、とりあえず、屋上に向かった。

本当は、図書室に行こうとしていたけど、水川くんに会って、どうしよもなく、死にたくなった。

屋上に出ると、強風が吹いていた。

「寒っ」

思わず、声が漏れた。

強風が髪の毛を仰いで、顔に髪の毛が当たる。

「死にたい」

私は、海の底にいて、空気がなくて、苦しい。

海の底には、到底、光が届かない。

屋上から、海が見えた。

「海・・・」

(そうだ、海に入って、死のう)