学校から帰るとき、私は信号が青になるのを確認して、

横断歩道を渡った。

あの、水川くんの冷たい瞳を見てから、水川くんの顔が頭から離れない。

「あぶないッ!」

急に、腕を後ろに引っ張られた。

その力強さで後ろに体が傾く。

「セーフ」

耳元である人の声がする。

かああ、と顔が赤くなっていくのが感じる。

目の前に車が通る。

車にひかれるところだったんだ。

後ろに倒れる前に誰かが支えてくれているが分かる。

距離が近い・・・。

助けてもらったのは、ありがたい。

でも、この距離感はヤバい。

「ありがと」

私は、助けてくれた人,改め、水川くんにお礼を言う。

「いや・・・」

彼は、顔をそっぽに背ける。

「では」