規則正しいリズムで均等の薄さに刻むと、湯気の立つお味噌汁に落とす。
「…美味しい」
いつもより、美味しいかもしれない。これから家族になる人を受け入れるための儀式。
そういえば、旦那様は好き嫌いはあるのかな。
体はあまり強そうにはお見受けしなかったし、なるべく栄養のあるものを食べてもらいたい。
昨日はお母様が作ってくれたご飯を食べたけど、米粒一つ残さず、綺麗に食べられていたし。
「柚葉」
「は、はい!」
「悪い。驚かせてしまったな」
てっきり一人だと思って、呑気に手を止めていた。無防備なところを見られてしまった。
私の真後ろに立っていたのに、気づかなかったなんて。