「私に黙ってようと思ったんですか?」
「柚葉が荘司さんを追いかけるのも分かってたし、追いかけた先で知ることも分かってたわ。でもそれで荘司さんを捨てるほど、軽い人間じゃないでしょ?」
「少しびっくりしてショックだったけど…。でも旦那様は旦那様だから」
「そう、それだ。それを母さんは信じてたから、言わなかったんだ。柚葉が自身で知って、立ち向かって、どうしていくか。見守ろうってなったんだ。黙ってて、すまなかったな」
苦しみを知っているからこそ、見捨てられなかった。
どんな姿でも、旦那様は私の旦那様。
私のありのままを受け止めると、包み込んでくださった。