まさかとは思ったが、当てずっぽうで言ってみると、頷く二人。





「夜に出て行くし、帰ってきたら酷い有り様だ。母さんと怪しいと話してはいたんだが…」


「狼人間の言い伝えが本当なのは知っていたし、佃家は代々続く人狼家系なのよ」


「知ってたなら、何で言ってくれなかったの!?」





畑の土が泥濘(ぬかる)んでいたのも気づかず、食い気味に両親を問い詰めようと一歩踏み出して、泥に向かって一直線に転けてしまった。


お父様に支えてもらって、どうにか立ち上がる。



顔には、べっとり泥がついた。

でも今は、どうでも良い。