ただひたすらについて行き、辺りも暗くなってきた頃、旦那様は森に足を踏み入れた。


誰も入りたがらない、伝説がある森。



〝人狼の森〟



満月の夜になると、狼人間は狼に変身して人間に戻るまで、この森で群れとなって過ごすと言われている。


そんなの噂で、本気にはしていなかったけど、いざ目の前にすると不気味な雰囲気を醸し出している。




空を見上げれば月は完全に満ちている。そして旦那様の一ヶ月に一回の外出。帰宅すると増えている傷。


旦那様が私たちに真実を言えないのは、狼人間だからで間違いないだろう。