薪を焚べて火を起こして、お湯を沸かして。


薪が燃える火を見つめながら、旦那様のために私は何ができるだろうと考える。



無理やり引き出そうとは思わない。でも、まだ私には話すほどの信頼がないと突きつけられているようで、それは苦しい。



待っていると決めたのに、何かしてあげたい。




「でもね柚葉。待つって、思ってるより大変なことよ。私も、お父さんと結婚してから、いろいろと長い道のりだったんだから」


「え、初耳です。その話、聞きたい」


「柚葉と同じようなものよ。結婚する前からお父さん、ずっと隠し事してるの分かってたんだけど、言わなかったから聞けなかったの」