「傷の手当てをしましょう」
「あぁ、ありがとう」
「荘司くん、その前にお風呂に入ると良い」
お父様の一声で私とお母様は、慌ただしくお風呂の準備、救急箱の準備を始めた。
根は良い人だから、きっと聞かれたくない何かがあるだけで、そっとしておいたらいつか話してくれる。
「荘司さん、何があったのかしらね」
「うん…。でも聞かない方が良さそう。旦那様が話したくなるまで、私は待ちます」
「…柚葉が言うなら、私もそうしよう。私が先に聞いちゃったら、柚葉の妻としての役目がなくなっちゃうわね」
「そういうわけじゃないけど。てか何それ。妻としての役目は、もっとあるから」