もしかしたら、別の家に子どもを産んでくれる好き同士の方が居て、そこへ一日子作りに行くのかも。

そんな予感が頭を瞬間的に過ぎって、胸が苦しくなった。



旦那様がこちらに向くと、目を大きく開けて、私を見下ろしている。



小上がりに立っていたから、旦那様と同じ目線だったけど、私が旦那様を見上げるほど身長差がある。



「柚葉?」



聞いてもないのに勝手に想像して悲しくなって、旦那様の目を見れなかった。



「…あ、ごめんなさい。時間がないですね。急がれた方が、」



自分の足元を見てモジモジしていると、柔らかく旦那様に包まれた。