「旦那様はご実家に帰ったり、息抜きされたりなさらなくて大丈夫ですか?もしご希望があれば、言っていただければ嬉しいです」
押し付けのように聞こえていなければ良いけど。旦那様が望まれないのなら、月城家に旦那様の息抜きを作るだけ。
「希望か。…では一つ、ある」
「何でしょう?」
「今日の夕方から明日の夜まで、外に出たい」
「明日の夜まで?でしたら、その分の食事かお代金がいりますね」
「いや、何もいらん」
「え…。では、私にできることはございますか?」
「何もない。必ず帰ってくるから、待っていてくれるだけで良い」
「はい…、分かりました。お気をつけて」