月城家の子どもは私一人。

後継は当然男だと考えられているし、反対されるのも無理はない。

でも私が後継になって月城家を後世に残していくことで、長期間の安定した暮らしが保証できる。



「心配事が一つ減るのは良いことです」


「まぁ確かに。月城家は途絶えさせてはいけない家系だからな。それも一つの手かもしれん。良いだろう。では私が連れて来る」



こうして、月城家は婿を取ることになった。

お父様が旦那様を探すと言って一ヶ月後、月城家に足を踏み入れた旦那様、佃荘司。