お父様の言葉に反論しようとしたけど、旦那様が重そうに持っていたことなど言えば、旦那様が恥をかく。


旦那様が気遣って下さったんだから、立てなければ。




「旦那様、ありがとうございます。卵、もらいますね。あとは、小上がりに置いていただけますか?」


「あぁ」




この卵は、明日の朝ごはんに卵焼きにでもしよう。

卵は高級品とされていて、栄養価が高い分朝に食べると、仕事に力が入る。




「さぁ、ご飯の準備ができてますから。食べましょう」


「柚葉、お母さん言ったわよね。荘司さんと二人で食べなさいって」




囲炉裏のまわり四方に置かれたご飯を見て、私の着物の袂を引っ張るお母様。


そういえば、そう言われていたような。