「あ?」

人にドアを当てたのに、なんだその態度は。

「痛いんですけど」

私は、ドアを当てていきた男の人をにらむ。

「これは、どういう状況?」

「ここでいてもらうつもりだったのに、殴られてもう少しで逃がしそうになったところ」

さっきまでうずくまていた男の人が立ち上がって状況を説明する。

間違ってはないけどさ、その言い方だと私が悪者みたいに聞こえるだけど?

「まず、君にはここで過ごしてもらう」

「は?」

いやいや、本当に言っているの?

「俺の名前は・・・」

「いやッ、ちょっと待って?」

ドアを当ててきた男の人の話を遮って頭を整理する。

「えっと、私って帰れないんですか?」

「そういうことだね」

鳩尾を殴った男の人がニコニコしながら言う。