虐げられた少女は、無償に愛される ~だけど少女は逃げ出したい!~

「ねぇ、嘘だよね!?」

由和が、結界を強くたたく。震える声で、「嘘だって言ってよ」と呟いた。

千鶴はそんなことはどうでもいいという目でこちらを見据えている。

「本当にこれでいいの?千鶴ちゃんは、こんな結末を望んだの?」

「わかんない。でも、これ以上は・・・」

「生きたくなっちゃた?」

「は?」

「ねぇ!千鶴、生きたくなっちゃったってどういうこと!?そんなのまるで・・・」

「死ぬみたいじゃないか・・・」

自分が言った言葉は、静まり返った部屋に響く。

千鶴と早樹は黙る。

それは肯定しているようだった。

「なあ、千鶴は俺の傍に、いるんだよねっ?」

震える声で千鶴に問う。

そうだと、言ってくれ。

死ぬわけないと言ってくれ。

「・・・ごめんなさい」

「なんで、謝るの?」

謝らないでよ。謝るなら俺の傍にいたらいいじゃん。

「約束ね、守るつもりなんてなかったんです」

そんな気はしてた。

だから、いなくなったら探せばいいと思ってた。

でも、それはこの世界にいることが前提の話だ。

空の上にいかれたら、連れ戻したくても連れ戻せない。

「悠華さんたちに出会ったときには、余命宣告はされていたんです。はじめから消えるつもりだったんですよ。でも、サキが連れだしてくれるって言って。その案に乗ったんです」

千鶴の声はどこかすべてを諦めているようで、もうここにいる理由なんてないと言っているようで、消えてしまいそうだった。

「そんなのどうでもいいよ」

もういいや。

余命とか、俺の傍からいなくなるとか、そんなのもうどうでもいい。

「今、千鶴はどうしたいの?」