虐げられた少女は、無償に愛される ~だけど少女は逃げ出したい!~

「千鶴!!」

千鶴の顔は青白く、生きているのか、それとも・・・。

考えるだけで、吐き気がした。

「お前・・・、何をした?」

「何もしてないんだけど」

早樹は困ったように頬をかく。

「千鶴ちゃんをかえしほしいんだけどっ!」

哉が殺気立って千鶴の元にかけよった。

いや、駆け寄ろうとした。

だが、なぜか見えないもので憚られているように弾かれる。

「結界か!全部、壊したはず!」

「あのね、君たちがここに来る前に大きな結界をはったの。本当にすごい勢いでくるもんだから、結構焦ったよ」

焦ったという割には全く焦っている様子なく、どちらかといえば余裕そうだ。

「じゃあ、壊して入ればいいんだ」

瀬和が状況を整理し、結界を壊そうとする。

だが、早樹の言葉で動きが止まった。

「千鶴ちゃんは、最後は自分の意志で僕のところに来たよ?」