「えっ、ちょっ、勝手に話を進めないでくださいよ!」

「あ、うるさいな。さっさと逃げてくれる?」

「あー、もうわかりましたよ!生きて帰ってきてくださいね!!」

「わーかってるって」

マント男の部下らしき人は、最後まで「生きてくださいよ!」と叫びながら部屋を出ていった。

「さーて、十分あれば大丈夫かな」

マント男は正座し、ブツブツと何やら言い始めた。

「答えなくていいんですけど、名前なんて言うんですか?」

「・・・サキ」

「サキ、ね」

「じゃあ、呟かなくてもできるからこっちも質問していい?」

「はい。どうぞ」

「好きなんでしょ?鬼頭のこと」

「・・・わかりません」

「じゃあ、このまま彼らに何も言わず死んでくの?」

「そうですよ。もともと、そのつもりでした」