虐げられた少女は、無償に愛される ~だけど少女は逃げ出したい!~

 本当のことを言ってしまったら、悠華さんは壊れてしまう気がした。

 壊れてほしくない。

 私みたいになってほしくない。

 「・・・そっか」

 そして、あの日見たい夢を思い出す。

 あの夢では私を庇って悠華さんが刺される。

 これは私の直感だけど、あと一度だけ使える。

 もし、これを使ってしまえば死ぬかもしれない。

 それでも、私は悠華さんを助けたい。

 死んでしまってもいい。

 というか元々死ぬ予定だった。

 あの日、お医者様に言われてしまっていた。

『お嬢様の命は、あともっと半年もないでしょう』

 まあ、そんなことはわかってた。

 自分のことは自分が一番わかるってよく言う。

 悠華さんが私を庇った瞬間、力を使う。

 そして、時間を止めて黒いマントの人をなんとかする。