虐げられた少女は、無償に愛される ~だけど少女は逃げ出したい!~


「ん・・・」

 誰かが頬を撫でてる。

 誰だろう。

 こんなことをするのは悠華さんぐらいかな。

 でも、なんで部屋にいるんだろう。

 意味わらんないや。

 だんだん、周りが明るくなっていく。

 目を開けると、そこには眉をハの字に下げた悠華さんがいた。

「どうしたんですか?そんな顔して」

 彼の頬に手を添えると、その手をギュッと握り返してくる。

 本当にどうしたんだろう?

「千鶴、ベットの上で倒れてた。しかも三日間も起きなかったんだよ」

 声は震えていて、今にも泣きだしてしまいそうだ。

「もうずっと寝たままなんじゃないかって思ったら怖くて、

 俺は千鶴は絶対にいなくならないだろうってどっかで安心してて

 でもっ、でもっ」