「そりゃするよ?俺だって人間だもの」

さきほどまでの青い顔からまた真っ赤な顔に変わっていた。

「悠華さんって表情、コロコロ変わりますよね」

感情があまり表に出ない私とは似ても似つかない人だ。

「・・・いったね?」

悠華さんが不敵に笑ったと思ったら、体を引き寄せられおでこに柔らかいものが一瞬だけ触れた。

それが悠華さんの唇だと気づいたときには、体中に火がついたと思うぐらい熱くなっていた。

「千鶴の方がコロコロ変わってるよ?」

悠華さんは先ほどまでの態度から一変し、いつもの悠華さんへと戻っていた。

「・・・っ」

もう一度チラッと悠華さんの顔を見ると、自然と彼の唇へと視線が吸い寄せられる。

そして、おでこに当たった柔らかい感触を思い出してしまった。

また、顔に熱が集まるのがわかる。

初めてだった。

誰かと寝るのも、

抱きしめられるのも、

おでこにキスされるのも、

悠華さんが初めてだった。