「分かってる。でも千鶴が食べたものを由和が食べるのって間接キスだって気づいたらさ」

悠華さんは顔を誰にも見られたくないと言うように両手で覆い隠す。

「やばッ、あの悠華だよ?あの悠華がっ、嫉妬?しかも同性との間接キスぐらいで?」

哉さんの目じりにはうっすらと涙が溜まっていた。

「悠華さ、流石にやばいよ」

由和に至っては苦笑いし、額に手を当てている。

「千鶴ちゃん、あのさ悠華の顔、見ておいでよ」

笑いの波が引いたのか冷静に戻った瀬和が悠華さんを指さす。

「失礼しますっ」

声をかけ、顔に張り付いてる悠華さんの手を引っ張ると、悠華さんは首から耳まで真っ赤に染まっていた。

「・・・」

「ねぇ、なんか反応しようよ。無言が一番恥ずかしい」

「・・・」

「何?わざとなの?それとも、引いちゃった?」

真っ赤だった悠華さんの顔が一気に青ざめていく。

いつもニコニコ笑っていて優しく強引な悠華さんはどこにいったのやら。

「悠華さん、そんな顔もできるんですね」