「おいしい・・・です」

思わず悠華さんを見上げると、そこにはニコニコと笑う顔。

「なんですか・・・?」

その笑みがあまりにも溶けそうで、頬が少し引きつる。

「いや、おいしそうに食べてるなって」

悠華さんの横で由和もうなづいていた。

「じゃあ、由和もいる?半分しかもうないけど」

私は半分しか残っていない大福を由和の口へと近づける。

「へ?いいの?じゃあ、もらおうかな」

そう笑った由和へと大福を口へと運ぶ。

そして、由和の可愛い顔が見れるはず・・・だった。

なぜか悠華さんが私の手から大福を食べてきたのだ。

「へ?」

どうしてそうなったのか理解できずに混乱していると、横で瀬和と哉さんが顔を背けながら震えている。

「え、何?どうしたの?」

「いやね、由和は女子だよ?」

それは私に向けた言葉ではなく、なぜか悠華さんに向けられていた。