あの日から悠華さんの甘さが増倍し、瀬和たちが呆れてしまっている。

私は、今までならめんどくさいと思っていたはずなのに最近はうれしい嬉しいと思っている。

この気持ちの変化を由和に相談してみた。

だけど、由和はそれを聞くと走ってどこかに行ってしまった。

仕方なく、瀬和に聞いてみると頭を撫でて「それはね、自分で気づいていくものだよ」と答えてくれた。

瀬和曰く、由和は情報が多すぎてキャパオーバーになって、思わず逃げたらしい。

由和のことをよく知っている瀬和が言っていることだから、信憑性は高い。

由和に後から聞くと、私からそんなことを聞かれるとは思わなかったらしく、驚いて逃げてしまったらしい。

「千鶴、お土産だよ」

今日、悠華さんは仕事で外に出ていた。その帰りで買ったと考えられる袋を抱えていた。

「それ、何ですか？」

「これは、大福の中にフルーツが入ってるんだ」

袋から出てきたのは、お店でよく見る普通の大福。

その大福は私の口へと運ばれる。

「んッ」

大福を口から離すとそこには、イチゴの断面。

口の中にはイチゴの甘さと酸っぱさが広がっている。