「言えないんだったらお願いです。哉さんの部屋で寝かせてください」

「ちょっと!声が大きいって本当にッ」

なんでそんなに焦っているだろう。

哉さんを怖がらす人って数少ない気がするんだけど・・・。

「誰が、誰の部屋で寝るんだって?」

後ろから物凄く低い声が聞こえると同時に、体が後ろに引っ張られる。

トン、と頭が声の主の胸にあたる。

ゆっくりと頭を動かし、上を向く。

視線の先には眉間を寄せ、悲しそうな顔をしている悠華さんだった。

「もう、千鶴ちゃんが大声で言うからッ」

哉さんの顔は、だんだん血の気が引いていく。

「えっと、私が哉さんの部屋で寝るんです」

「・・・哉」

事実をはっきり話すと、ロボットが動く音が今にも聞こえてくるような動きで哉さんを睨む。

「俺じゃないって、もう俺は知らないからね」

哉さんは青い顔をしたまま、どこかに行ってしまった。

「じゃあ、少し話そうか?」