虐げられた少女は、無償に愛される ~だけど少女は逃げ出したい!~

「あなたのことを見ていなかった。悪かったわ」

「そうだ。だから、家に帰ってきてくれないか?」

ニコッと笑う両親を見て、ため息しかでてこなかった。

だって、両親の笑顔から「苛立ち」がにじみ出ている。

「すみません。戻るつもりはないです」

私は、表情を崩さず坦々と述べた。

この人たちに表情を崩すなんて、絶対に嫌だと思った。

これが最後の抗いだ。

これが最後の賭けだった。

結局、両親は私のことを道具だとしか思っていない。

期待した私がバカだった。

「なぜだ、お前がいなくなってから俺たちの家はッ」

「そうよ、あなたみたいのはいつか捨てられるのが落ちよ」

そうかもね。

私はいつか悠華さんに捨てられるかもね。

でも、そんなことで絶望しない。

だって、期待してないから。