~悠華side~

「いや・・・、最初にも言ったように似合ってる」

瀬和の発言で動かなくなっていた頭が再起動する。

話を聞くために瀬和の肩を掴んで部屋の隅へ移動する。

「どういうことだ?なんで、千鶴の服装の感想を二度も言っているんだ?」

千鶴の耳に入らないようにできるだけ小声で問いただす。

「悠華が聞きに行けと言ったときにたまたま用意が終わってたから・・・」

「俺よりも先に見たんだな?」

「・・・」

瀬和も俺がこんなに慌てるとは思ってなかったからなのか、急に押し黙りジッと見つめてくる。

「なんだ?」

「可愛かったよ」

まさか、あの瀬和から「可愛い」という単語が出るとは思わなくて再び口をポカンと開けてしまう。

「煽ってんのか?」

「ふっ」

俺が眉を寄せて問うと、面白いものを見たようにわらいだした。

「悠華もそんな風に嫉妬するんだね」