普通なら、遠慮して「なんでもないです」と言いがちだが、私は違う。

逆に言ってみて彼らがどんな反応するのか気になる。

「俺が弟・・・」

私に弟みたいと言われたのが相当ショックをだったのかボーとしている悠華さん。

それを見ていると、かわいくて面白くてフッと笑ってしまった。

「じゃあ、朝食を持ってくるね?」

哉さんは、私たちに笑いかけて部屋から出ていった。

「いま、笑ったね?」

哉さんがいなくなった後に、悠華さんが視線をこっちに向けて言ってくる。

「そうですが、何ですか?」

悠華さんにつかっかるように尋ねると目を丸く見開きフッと笑われた。

「なつかない猫みたいで可愛いね」

悠華さんは目を細めて、頭に手を置いてゆっくり撫でてくる。

「黙ってください」

私は可愛くもないし。

まずまず、猫ってどういう意味なのだろう。

猫って、ツンツンしてでも、懐くと甘えん坊だ。