「いつまでいちゃついてるの?」

ドアの方から声がする。

バッと後ろを振り向くと、呆れた顔をした哉さんがいた。

「・・・起こしにこいとは言ってない」

「いつも、起こさないと起きないじゃん」

哉さんがやれやれと言うように頭を振る。

「普通は空気を読むだろ」

「俺は、空気を読まないよ~」

哉さんは、そう言って悠華さんに何かの束を差し出す。

「頼まれてたの」

「ありがと」

悠華さんは、それだけ言って何かの束を机の上にドサッと投げる。

「扱い」

哉さんは、ため息をつきながら言う。

このやりとり、なんか・・・。

「兄弟みたい」

ボソッと呟いた声を悠華さんに、聞こえてしまったのか、何言っての?と言いたげな顔をしていた。

「えっと、哉さんがお兄さんで悠華さんが弟みたいな気がするんですが」