その顔を見るとため息がでそうになるけど、必死に我慢する。

だって、その方がこいつらに復讐するときに面白くなさそうでしょ。

もしかして、酷い扱いをされたから大人しくて優しく育ったと思ったの?

それは、心がキレイだから。

私の場合は、ヒドイ扱いのせいで性格がねじまがっちゃった。

「こっちにこい」

クソジジイ(・・・・・)に言われた通りに、あいつらが食事していたところから、奥の方にある部屋に入る。

「次の商談はうまくいくのか?」

ああ、また使わなければならないのか。

人が何かを望むときのような手の型をし、頭の中で語りかける。

『次の商談は上手くいきますか?』

語りかけた後に、頭に浮かび上がるのはクソジジイ(・・・・・)が商談に失敗している映像。

「・・・失敗します」

「そうか。もう部屋に戻れ」

「・・・はい」

私は、部屋から出る。