~悠華side~

俺の横で、規則正しく寝息を立てる千鶴。

「悠華、入るぞ」

ドアがコンコンと音を鳴らし入ってきたのは、俺の秘書兼執事兼親友の哉だった。

「なんだ?」

「千鶴ちゃんのこと、調べてみたんだけどさ。親に利用?されてたらしい」

哉がいつもだったら綺麗な顔を歪ませながら言う。しかも、口ごもってる。

「なんで、ハッキリ言わないんだ?」

「いや、千鶴ちゃんの歳ぐらいで利用できることって限られるはずなのに家からも出ないでできることってある?」

そう言われるとない。

千鶴の年ぐらいなら使用人みたいに買い物などをされてるんだと思っていたが、使用人のようにも扱われてない。

「何をされていたんだ?」

こいつは、得体が知れない。

昨日、こいつを逃がしまいと思ったはずなのに次の瞬間、目のまえから彼女がいなくなっていた。

すぐに、哉に探させたが見つからなかった。

情報力が長けている鬼頭家では、調べれないことはない。

だから、あいつの家を調べた。そこでの扱いも調べさせた。