「おもしろいのかな?」

「ねぇ、もう寝ちゃう?」

耳のすぐ横から声がした。

「ちょっ、近いです」

「え~、別にいいじゃん。もう一度聞くよ?眠たくなってきたから寝ない?」

流石に、お風呂に入ってすぐに寝るのは、風邪をひくと思うんだけど。

「髪の毛、乾かしてあげる」

そう言って、ベットに座らされた。

「痛かったら言ってね?」

「はい・・・」

初めてだった。

恵里以外に髪の毛を触られるのが。

悠華さんは、壊れたものを大切に拭くように髪の毛を拭いてくれる。

「ありがとうございます」

「ん?」

「なんでもないです」

良かった。聞こえてなかったんだ。

改まって言ってみたら恥ずかしすぎてごまかしてしまった。