「そうですか?」

「うん」

「そうですか・・・」

ただ、生活はさせてくれたんだから、お礼はする。

だけど、それだけじゃない。

私の性格をここまで捻じ曲げてくれたお礼も今度しなくてはないんだけど。

悠華さんは私のことを買い被りすぎてる。

あんなにいじめられたのに、優しい心でいれるわけがない。

「あのさ、そこまで緊張しなくていいよ?」

「緊張なんてしてませんが?ですが、あなたに嫌悪感を抱いております」

「おお、なんかおとなしい子だと思っていたけど全然違ったね」

「買い被りすぎなんですけど」

私のことをおとなしい子だと思った時点で、この人は見る目がない。

「あっ、悠華連れてきたんだ」

悠華さんの家だと思われる家の玄関には、私が殴ってしまった男の人がいた。

「自己紹介」

「えっ」