「そうですね。僕の・・・いや、俺の名前は鬼頭悠華(きとう ゆうか)といいます」

鬼頭悠華さんは、笑顔でそう言い笑いかけてくる。

「私は、日向埜千鶴(ひがの ちづる)です」

「千鶴・・・。千鶴と呼ばせてもらいますね。なので、悠華と呼んでください」

「わかりました」

私は、人前で見せる完璧な笑顔を作る。

「悠華さん。とりあえず、明日また来てください」

「え?このまま、家を出ますよ?」

何を言っているのだろう。

私の荷物は元々あまり無いからできないことはないけど。

「わかりました。せめて、十分お待ちになってください」

私は、悠華さんに頭を下げて部屋から出る。

すぐに自分の部屋に入り、自分のものをバックに詰める。

まずまず、物が少ないせいかすぐに片づけは終わってしまった。

恵里さんにお礼・・・、まだ言ってなかった。

恵里さんってどこにいるんだろう?

「恵里さん~」