「お嬢様ッ、起きてくださいッ」
ん・・・。
「何?・・・」
「鬼頭家のご当主様がお呼びになさっているのですッ」
は?鬼頭家のご当主ってあのドアをぶつけてきた男の人?
まさか・・・。
いや、さすがにバレないでしょ。
「着替えをするのでたってくださいませ」
「え~」
「早くッ」
恵里にぴしゃりっと言われ、ゆっくり立ち上がる。
恵里もさすがに鬼頭家のご当主様を待たせるわけはいかないのか、いつもの二倍の速さで着つけてくれる。
「はい、できました。早く行って下さい」
「どこに?」
「客間です」
「はーい」