「まあ、できるだけそうするね」

「絶対ですよ?」

恵里は頑固だな。私が心を許してるぐらいだしね。

「まあ、明日?鬼頭家の人が来るみたいだけど、私のこと起こさないでね?」

「なぜですか?」

「長く寝たいから」

恵里には言えないけどもう一つ理由がある。それは、ドアをぶつけた人と会いたくないから。

嫌な予感がする。嫌な勘だけは小さいころからよく当たる。

「そうですか」

「じゃあ、私は寝るね」

「はい」

恵里は、深く頭を下げて部屋から出ていった。

「ふー」

流石に今日はいろんなことがありすぎた。

力もいっぱい使ったし、情報量が多すぎる。

「おやすみ」

誰もいなくなった私の部屋に小さく響く。