自分でいうのもなんだけど、勘だけは昔からよかった。

「やっと、出れた」

そう言っても、そこまで苦労はしてないけどね。

外に出てさっきまでいた家を見る。中からでも広いなとは思ってたけど、外に出ると余計にでかく見える。

「あっ、案外近いじゃん」

この家から私の家までは歩いて五分ほどしかかからなかった。

「ここまでくれば大丈夫でしょ」

そう思って、もう一度手をたたく。

これで、さっきの家では時間がいつも通り動いているのだろう。

そしてさっきの男の人たちは、急に私がいなくなって混乱しているだろう。

「ふー」

家の敷地内に入り、自分の部屋の窓を探す。

玄関に入れば怒鳴られて時間をつぶすだけだ。だったら、窓からコッソリ入った方がいい。

窓から自分の部屋に入る。

「ただいま」

ボソっと呟いて、部屋を見渡す。

やっぱりここは落ち着く。