なんで、ニヤニヤしてんのよ。

「それは困ります。家に帰らせていただきます」

「それは無理だな」

確かにこの状況で帰れると思える人はまずいないだろう。

だけど、ここには時間を操れる私がいるんだよ?

時間を止めることぐらいできる。未来予知よりまだ楽だ。

まあ、この家の時間を止めることぐらいしかできないけど。

さすがに世界中の時間を止めるほど馬鹿じゃない。そんなことをしたら、代償を大きすぎる。

「いや、できますよ?」

「確かに、俺はできたけどここにいるやつは俺の十倍は強いよ?」

まあ、物理的には無理だろうな。そんなのは誰だって分かるわ。

「では、失礼しました」

私は、男の人たちに頭を下げて手をたたく。

部屋に「パンッ」と音が鳴ると同時に男の人たちが動かなくなった。

そう。時間を止めたのだ。

流石にずっと時間を止めていてもいいことがないので、さっさと部屋を出る。

部屋に出て、玄関を目指す。