「それと、アオにも謝罪をしたいと」
『アオにも?』
俺は一旦部屋に戻りアオを呼んだ。それから結界は張ってあるが、一応みんなに静かに待つように言ってから、再びアオと玄関に向かい。
ドアを開けるとそこにはヘレンと、ヘレンの後ろに狼の獣人が立っていた。それから狼獣人の肩には、耳の所に包帯を巻いて、ブルブル震えているモモンが。もしやアオが話していたお客さんか?
「こちら今日の午前中までお泊まりいただいた、テオドア様です」
簡単に説明を終えると、ヘレンが少し横へずれる。
『初めまして。この施設経営者のスケルトンと申します』
『テオドアだ、初めまして。実はちょっと訳あって、無理を言ってあんたの所まで連れてきてもらったんだ。あんたと、あんたの肩に乗っている目覚まし鳥に謝りたくてな』
『アオにですか? ああ、アオはこの目覚まし鳥の名前です』
と、話している最中だった。アオが俺の肩の上で、モモンに向かいながら蹴る動作をし始めて。
『スケおじさん、あいつだよ!! 僕に喧嘩を売ってきたの!!』
やっぱりそうか! 俺は勢いにまかせてアオがモモンの方へ行かないよう、アオの顔だけ出すようにして、アオをそっと手で包んだ。
『アオというのか。アオ、俺の家族が、アオに申し訳ない事をした。この通りだ』
テオドアさんが頭を下げる。そんなテオドアさんの肩から落ちないように、肩に掴まったまま、チラチラとアオを見ているモモン。俺は謝るテオドアさんを止め、話しを聞くために目覚まし鳥達の家の1室を借りることに。
そうして詳しく話しを聞くと、アオの話では簡単なことしか分からなかったが、今回の全容が分かった。
テオドアさんの家族のモモン、名はモッチー。もともとモッチーは自分より相手が大きかろうが、小さかろうが。戦闘に長けている魔獣に、自ら向かっていくタイプらしく。何だかんだ言って、今までに負けたことがなかったらしい。
まぁ、大きい魔獣と言っても、さすがに勝てないと分かっている魔獣には、向かっては行かなかったみたいだけど。
ただ、そうやって勝ち続けていたため、調子に乗ってしまったモッチー。でもそんな事を続けていれば、いずれ大変な事になると分かっていたテオドアさんは。何回もモッチーに、喧嘩を売らないように注意していたと。
そんな中、俺の施設へ遊びに来た、テオドアさんとモッチー。テオドアさんは起きるのが苦手だったため、せっかく遊びに来ているのだから、時間を無駄にしないようにと、目覚まし鳥を頼むことに。
そして今日の朝、それは起こった。テオドアさんが起きると、そこには倒れているモッチーと。片方の翼を広げて、片足を上げて、勝利のポーズをしているアオの姿が。
しまったと思ったテオドアさん。慌ててアオに詳しい状況を聞こうとしたんだけど、アオは怒っていて、そのまますぐに行ってしまい。仕方なく治療を終えたモッチーに話しを聞く事に。
最初は怖がり、その後しょんぼりして、何も話さなかったモッチー。だけど大体の予想がついていたテオドアさんは、きちんと話さないと家族を解消するぞ、とモッチーに言った。
それでようやくボソボソと話し始めたモッチー。するとやはり、モッチーからアオに喧嘩を売り、返り討ちになったことが判明。
初めての完璧なまでの負けに、打ちのめされたモッチーに。これまでのことを、今まで以上に、きっちりしっかりと、話して聞かせたテオドアさん。
そうして話し終わると、小さく何回も頷き、泣きながら謝ったモッチー。そんなモッチーに、一緒にアオに謝りに行こうと、わざわざ出向いてくれたらしい。
モッチーが、テオドアさんの肩から降りて、テーブルの上に乗る。それからテーブルの上、俺の前に座っていたアオに、そっとそっと近づいてきて、ペコンと頭を下げた。あ~あ、あんなに震えちゃって。
『……ごめんなさい』
『……』
『ほらアオ』
『……分かったよ。謝ったから、喧嘩を売ってきたことは許してあげる。でも、もしまた泊まりに来ても、僕はお手伝いしないからね。きっとみんなもしないよ』
『……うん。ごめんなさい』
『アオ、この通りだ。こちらから頼んでおきながら、本当にすまなかったな」
テオドアさんもモッチーと共に謝ってくれる。
『僕、もう行くから。みんなに話さないと。スケおじさんもすぐに来てね!』
そう言って、アオは頭を下げる2人をそのままに、皆の所へ飛んでいってしまった。
『お2人とも、頭を上げてください。こちらも謝罪を。どんな理由があれ、怪我を負わせてしまい、申し訳ありませんでした』
何があったのか、そして原因が相手側にある事は分かったけれど。怪我をさせたのはこちらだ。お客様に怪我を負わせたのだのだから、それに関しては謝罪しないと。
『いや、今回は完璧に俺達が悪い。それに今回のことで、モッチーも少しは、自分がしてきた事で、どんなことが起きるか分かっただろう。それを教えてくれたアオには感謝だ。あんたにも迷惑をかけたな。もし許してもらえるのなら、次回もここを使わせてもらえるか?』
『それは勿論!! いつでもお越しください!! ただアオが言った通り、次回は目覚まし鳥はお貸しできないかと』
『はは、それは分かっている。それに……。そうだな。今度来た時は、アオ達目覚まし鳥に、何かお詫びの品を持ってこよう。ほら、モッチー』
『うん。スケおじさん、ごめんなさい』
『もう良いよ。ただ。これからは本当に気をつけるんだぞ。アオ達みたいな魔獣は珍しいけど。他にも何かがあって、大怪我をするかもしれないし。そのせいでテオドアさんにも、何かあるかもしれないから』
『うん! 俺気をつける!!』
こうして謝罪に来たテオドアさんとモッチーは、施設を後にした。
それにしても、はぁ。なんで目覚まし鳥に喧嘩を売ったかな。テオドアさんだって、注意していただろうに。やっぱり話しを聞いていても、見た目でいけると思ってしまったのか? 俺は何があったとしても、絶対の目覚まし鳥には何もしないぞ。
『アオにも?』
俺は一旦部屋に戻りアオを呼んだ。それから結界は張ってあるが、一応みんなに静かに待つように言ってから、再びアオと玄関に向かい。
ドアを開けるとそこにはヘレンと、ヘレンの後ろに狼の獣人が立っていた。それから狼獣人の肩には、耳の所に包帯を巻いて、ブルブル震えているモモンが。もしやアオが話していたお客さんか?
「こちら今日の午前中までお泊まりいただいた、テオドア様です」
簡単に説明を終えると、ヘレンが少し横へずれる。
『初めまして。この施設経営者のスケルトンと申します』
『テオドアだ、初めまして。実はちょっと訳あって、無理を言ってあんたの所まで連れてきてもらったんだ。あんたと、あんたの肩に乗っている目覚まし鳥に謝りたくてな』
『アオにですか? ああ、アオはこの目覚まし鳥の名前です』
と、話している最中だった。アオが俺の肩の上で、モモンに向かいながら蹴る動作をし始めて。
『スケおじさん、あいつだよ!! 僕に喧嘩を売ってきたの!!』
やっぱりそうか! 俺は勢いにまかせてアオがモモンの方へ行かないよう、アオの顔だけ出すようにして、アオをそっと手で包んだ。
『アオというのか。アオ、俺の家族が、アオに申し訳ない事をした。この通りだ』
テオドアさんが頭を下げる。そんなテオドアさんの肩から落ちないように、肩に掴まったまま、チラチラとアオを見ているモモン。俺は謝るテオドアさんを止め、話しを聞くために目覚まし鳥達の家の1室を借りることに。
そうして詳しく話しを聞くと、アオの話では簡単なことしか分からなかったが、今回の全容が分かった。
テオドアさんの家族のモモン、名はモッチー。もともとモッチーは自分より相手が大きかろうが、小さかろうが。戦闘に長けている魔獣に、自ら向かっていくタイプらしく。何だかんだ言って、今までに負けたことがなかったらしい。
まぁ、大きい魔獣と言っても、さすがに勝てないと分かっている魔獣には、向かっては行かなかったみたいだけど。
ただ、そうやって勝ち続けていたため、調子に乗ってしまったモッチー。でもそんな事を続けていれば、いずれ大変な事になると分かっていたテオドアさんは。何回もモッチーに、喧嘩を売らないように注意していたと。
そんな中、俺の施設へ遊びに来た、テオドアさんとモッチー。テオドアさんは起きるのが苦手だったため、せっかく遊びに来ているのだから、時間を無駄にしないようにと、目覚まし鳥を頼むことに。
そして今日の朝、それは起こった。テオドアさんが起きると、そこには倒れているモッチーと。片方の翼を広げて、片足を上げて、勝利のポーズをしているアオの姿が。
しまったと思ったテオドアさん。慌ててアオに詳しい状況を聞こうとしたんだけど、アオは怒っていて、そのまますぐに行ってしまい。仕方なく治療を終えたモッチーに話しを聞く事に。
最初は怖がり、その後しょんぼりして、何も話さなかったモッチー。だけど大体の予想がついていたテオドアさんは、きちんと話さないと家族を解消するぞ、とモッチーに言った。
それでようやくボソボソと話し始めたモッチー。するとやはり、モッチーからアオに喧嘩を売り、返り討ちになったことが判明。
初めての完璧なまでの負けに、打ちのめされたモッチーに。これまでのことを、今まで以上に、きっちりしっかりと、話して聞かせたテオドアさん。
そうして話し終わると、小さく何回も頷き、泣きながら謝ったモッチー。そんなモッチーに、一緒にアオに謝りに行こうと、わざわざ出向いてくれたらしい。
モッチーが、テオドアさんの肩から降りて、テーブルの上に乗る。それからテーブルの上、俺の前に座っていたアオに、そっとそっと近づいてきて、ペコンと頭を下げた。あ~あ、あんなに震えちゃって。
『……ごめんなさい』
『……』
『ほらアオ』
『……分かったよ。謝ったから、喧嘩を売ってきたことは許してあげる。でも、もしまた泊まりに来ても、僕はお手伝いしないからね。きっとみんなもしないよ』
『……うん。ごめんなさい』
『アオ、この通りだ。こちらから頼んでおきながら、本当にすまなかったな」
テオドアさんもモッチーと共に謝ってくれる。
『僕、もう行くから。みんなに話さないと。スケおじさんもすぐに来てね!』
そう言って、アオは頭を下げる2人をそのままに、皆の所へ飛んでいってしまった。
『お2人とも、頭を上げてください。こちらも謝罪を。どんな理由があれ、怪我を負わせてしまい、申し訳ありませんでした』
何があったのか、そして原因が相手側にある事は分かったけれど。怪我をさせたのはこちらだ。お客様に怪我を負わせたのだのだから、それに関しては謝罪しないと。
『いや、今回は完璧に俺達が悪い。それに今回のことで、モッチーも少しは、自分がしてきた事で、どんなことが起きるか分かっただろう。それを教えてくれたアオには感謝だ。あんたにも迷惑をかけたな。もし許してもらえるのなら、次回もここを使わせてもらえるか?』
『それは勿論!! いつでもお越しください!! ただアオが言った通り、次回は目覚まし鳥はお貸しできないかと』
『はは、それは分かっている。それに……。そうだな。今度来た時は、アオ達目覚まし鳥に、何かお詫びの品を持ってこよう。ほら、モッチー』
『うん。スケおじさん、ごめんなさい』
『もう良いよ。ただ。これからは本当に気をつけるんだぞ。アオ達みたいな魔獣は珍しいけど。他にも何かがあって、大怪我をするかもしれないし。そのせいでテオドアさんにも、何かあるかもしれないから』
『うん! 俺気をつける!!』
こうして謝罪に来たテオドアさんとモッチーは、施設を後にした。
それにしても、はぁ。なんで目覚まし鳥に喧嘩を売ったかな。テオドアさんだって、注意していただろうに。やっぱり話しを聞いていても、見た目でいけると思ってしまったのか? 俺は何があったとしても、絶対の目覚まし鳥には何もしないぞ。

