『みんな入るぞ!!』
声をかけてから、目覚まし鳥達がいる家の中に入る。
『スケおじさん、お疲れ様ぁ』
『スケおじさん来た!』
『今日の果物はなぁに?』
俺が中に入ると、すぐに沢山の目覚まし鳥が集まってくる。
『今日はブブドだぞ。全員分あるから、ちゃんと分けて。後から起きてくるみんなの分も残しておけよ』
『『『は~い!!』』』
『よし、じゃあ今いるメンバーで、ブブドを食べながらで良いから、いつもの話し合いを始めるぞ』
『分かったぁ!』
『僕、みんなを呼んでくるよ!』
『私も!!』
今集まってきていた数羽が、今いるメンバーの中で、起きているメンバーを呼びに行ってくれた。俺はみんなが集まるっている間に、広い部屋へ移動。そこに置いてある6個の大きなテーブルに、均等にブブドを置いていく。
ブブドとは葡萄に似ている木の実で、目覚まし鳥に人気の木の実だ。そして目覚まし鳥だけど。この目覚まし鳥と言われる鳥達。何を言おう、施設にとって大切な従業員である。
俺がブブドをテーブルに並び終えるとほぼ同時に、続々と目覚まし鳥達が部屋へ入って来た。そしてそれぞれ2つずつブブドを食べ始める。みんなとっても美味しそうに食べるんだよ。
時々、評論家みたいに、今日の木の実はとか、果物はとか、説明口調の目覚まし鳥もいて、俺はそれを聞いて笑いそうになる。しかもその能書きを、周りの目覚まし鳥は完璧に無視して食べているのが、また笑えるんだ。せっかく一生懸命話してるのにな。
と、こんな風にこの世界の魔獣達は、なぜか食事評論家みたいな魔獣達が多く。ほら、この前の魚掴みの時、バーベギューをしている時にも居ただろう?
何でだろう? と不思議に思いながらも、面白いから何も言わずに毎回聞いているんだ。
みんなが食べながら、いつもの話し合いでも良いかと思っていたけれど。あまりにも美味しそうに夢中で食べているから、みんなが食べ終わってから話し合いをすることに。15分くらいでみんなブブドを食べ終わった。
『さて、それじゃあ今日は、どっちから話しをする? 良い方かそれとも悪い方か』
『う~ん、前は悪い方からだったから、今日は良い方からで良いんじゃない?』
『うん、それで良いよ。みんなは?』
『『『良い方から!!』』』
『よし、じゃあ良い方から、みんな報告してくれ!』
『はい、はい!! 僕のお客さん、ええと番号は301。今日帰った人です。お礼にいっぱいお菓子をくれました!! だから良い人です!!』
『どのくらいもらったの?』
『みんなで食べてって、いっぱいだよ。だから後でみんなに配るね!!』
『『『やったー!!』』』
301号室は○と。俺は今出た部屋番号を紙に書き留める。
『じゃあ次は私よ。412。私の好きな匂いの匂い袋を、わざわざ用意してくれたの。とっても良い人よ。いいえ、良い人すぎるから、次にその人が来たら、また私が担当するわ!! どう、この高級な香り』
匂い袋をを首から下げている目覚まし鳥。みんなに匂い袋の匂いを嗅がせようと、羽をパサパサ動かす。
だがその両隣と近くにいる目覚まし鳥は、皆羽で顔を隠し、体をなるべく遠ざけようとし、物凄く嫌そうな顔をしていて。少し離れている目覚まし鳥達も、羽で顔を隠していた。この匂いは……。
俺はなんとなくだけど、香りを感じることができる。これも争いに巻き込まれてからだから、それが影響しているかもしれないけれど。
この匂いの感覚。どうにも果物が腐った、臭い匂いな感じがするんだよな。本人が好きなら良いんだけど、他の目覚まし鳥達に迷惑がかかるのは……。まぁ、これは目覚まし鳥達に解決してもらおう。412号室も○と。
『つ、次良いかな?』
『ぼ、僕のお客さんも良い人でした! おもちゃを買ってくれました!! 526です!』
『私のお客さんは、髪飾りをわざわざ作ってくれたわ。それに必ず部屋に戻ってくるたびに、木の実を持ってきてくれたの。332よ』
次々に報告してくれる目覚まし鳥達。今回はいつもよりも、目覚まし鳥達が気に入ったお客さんが多いようだ。まぁ、良いお客さんに対しての基準が、目覚まし鳥達基準だから、時々それはどうなんだろう? と思うときはあるけれど。
『さて、他にまだいるかな?』
どんどん話しを聞いていき、みんなの発言が止まったところで、俺はみんなに声をかける。するとみんな、どう? まだある? と確認し合い、その後全員が首を振ってきた。
うん、やっぱり今日は良い感じだな。良い報告が20件以上もあった。さて問題はこれからだ。
『じゃあ、今度は悪い方。どうかな?』
『はい!! 506! 奴はダメです!! おやつも何もくれませんでした!! 欲しいってお願いしても無視しました!! それにわざと見せびらかして、自分だけ食べたんです!!』
『最悪だ!!』
『ちゃんとやり返した!?』
『うん!! 思いっきり鳴いてやった!! そうしたらビックリして、受付のお姉さんに文句言った。でも僕の話しを聞いて、僕の話しが本当なのが分かると、文句言ったお姉さんに怒られてた! 最後ごめんなさいしたよ。でも、あいつはダメ!!』
『『『うん、そいつはダメ!!』』』
506はダメ、と。後で連絡がくるな。
『あいつもダメよ。せっかく私が起こしてあげたのに、どうせならもっと綺麗なお姉さんに起こしてもらいたかった、って言ったの! 目覚まし鳥の中じゃ美人の私に対してよ!!。あいつはもう絶対にお断りよ!』
『……』
『あ~あ、あいつには言っちゃいけないこと言ったな』
『耳、壊れたんじゃない?』
『おい、今あんまり話しかけない方がいいぞ』
シュッシュッと、小さい足で足蹴りをする、今話していた目覚まし鳥の女の子。匂い袋の子じゃにけれど、みんなが少しだけ、話していた目覚まし鳥から離れた。うん、この後のご機嫌取りは、他のみんなに任せよう。だけど……。
その客もダメだな。自分で頼んでおきながら、文句を言うのはダメだ。俺はきちんと部屋番号を書き留めた。
声をかけてから、目覚まし鳥達がいる家の中に入る。
『スケおじさん、お疲れ様ぁ』
『スケおじさん来た!』
『今日の果物はなぁに?』
俺が中に入ると、すぐに沢山の目覚まし鳥が集まってくる。
『今日はブブドだぞ。全員分あるから、ちゃんと分けて。後から起きてくるみんなの分も残しておけよ』
『『『は~い!!』』』
『よし、じゃあ今いるメンバーで、ブブドを食べながらで良いから、いつもの話し合いを始めるぞ』
『分かったぁ!』
『僕、みんなを呼んでくるよ!』
『私も!!』
今集まってきていた数羽が、今いるメンバーの中で、起きているメンバーを呼びに行ってくれた。俺はみんなが集まるっている間に、広い部屋へ移動。そこに置いてある6個の大きなテーブルに、均等にブブドを置いていく。
ブブドとは葡萄に似ている木の実で、目覚まし鳥に人気の木の実だ。そして目覚まし鳥だけど。この目覚まし鳥と言われる鳥達。何を言おう、施設にとって大切な従業員である。
俺がブブドをテーブルに並び終えるとほぼ同時に、続々と目覚まし鳥達が部屋へ入って来た。そしてそれぞれ2つずつブブドを食べ始める。みんなとっても美味しそうに食べるんだよ。
時々、評論家みたいに、今日の木の実はとか、果物はとか、説明口調の目覚まし鳥もいて、俺はそれを聞いて笑いそうになる。しかもその能書きを、周りの目覚まし鳥は完璧に無視して食べているのが、また笑えるんだ。せっかく一生懸命話してるのにな。
と、こんな風にこの世界の魔獣達は、なぜか食事評論家みたいな魔獣達が多く。ほら、この前の魚掴みの時、バーベギューをしている時にも居ただろう?
何でだろう? と不思議に思いながらも、面白いから何も言わずに毎回聞いているんだ。
みんなが食べながら、いつもの話し合いでも良いかと思っていたけれど。あまりにも美味しそうに夢中で食べているから、みんなが食べ終わってから話し合いをすることに。15分くらいでみんなブブドを食べ終わった。
『さて、それじゃあ今日は、どっちから話しをする? 良い方かそれとも悪い方か』
『う~ん、前は悪い方からだったから、今日は良い方からで良いんじゃない?』
『うん、それで良いよ。みんなは?』
『『『良い方から!!』』』
『よし、じゃあ良い方から、みんな報告してくれ!』
『はい、はい!! 僕のお客さん、ええと番号は301。今日帰った人です。お礼にいっぱいお菓子をくれました!! だから良い人です!!』
『どのくらいもらったの?』
『みんなで食べてって、いっぱいだよ。だから後でみんなに配るね!!』
『『『やったー!!』』』
301号室は○と。俺は今出た部屋番号を紙に書き留める。
『じゃあ次は私よ。412。私の好きな匂いの匂い袋を、わざわざ用意してくれたの。とっても良い人よ。いいえ、良い人すぎるから、次にその人が来たら、また私が担当するわ!! どう、この高級な香り』
匂い袋をを首から下げている目覚まし鳥。みんなに匂い袋の匂いを嗅がせようと、羽をパサパサ動かす。
だがその両隣と近くにいる目覚まし鳥は、皆羽で顔を隠し、体をなるべく遠ざけようとし、物凄く嫌そうな顔をしていて。少し離れている目覚まし鳥達も、羽で顔を隠していた。この匂いは……。
俺はなんとなくだけど、香りを感じることができる。これも争いに巻き込まれてからだから、それが影響しているかもしれないけれど。
この匂いの感覚。どうにも果物が腐った、臭い匂いな感じがするんだよな。本人が好きなら良いんだけど、他の目覚まし鳥達に迷惑がかかるのは……。まぁ、これは目覚まし鳥達に解決してもらおう。412号室も○と。
『つ、次良いかな?』
『ぼ、僕のお客さんも良い人でした! おもちゃを買ってくれました!! 526です!』
『私のお客さんは、髪飾りをわざわざ作ってくれたわ。それに必ず部屋に戻ってくるたびに、木の実を持ってきてくれたの。332よ』
次々に報告してくれる目覚まし鳥達。今回はいつもよりも、目覚まし鳥達が気に入ったお客さんが多いようだ。まぁ、良いお客さんに対しての基準が、目覚まし鳥達基準だから、時々それはどうなんだろう? と思うときはあるけれど。
『さて、他にまだいるかな?』
どんどん話しを聞いていき、みんなの発言が止まったところで、俺はみんなに声をかける。するとみんな、どう? まだある? と確認し合い、その後全員が首を振ってきた。
うん、やっぱり今日は良い感じだな。良い報告が20件以上もあった。さて問題はこれからだ。
『じゃあ、今度は悪い方。どうかな?』
『はい!! 506! 奴はダメです!! おやつも何もくれませんでした!! 欲しいってお願いしても無視しました!! それにわざと見せびらかして、自分だけ食べたんです!!』
『最悪だ!!』
『ちゃんとやり返した!?』
『うん!! 思いっきり鳴いてやった!! そうしたらビックリして、受付のお姉さんに文句言った。でも僕の話しを聞いて、僕の話しが本当なのが分かると、文句言ったお姉さんに怒られてた! 最後ごめんなさいしたよ。でも、あいつはダメ!!』
『『『うん、そいつはダメ!!』』』
506はダメ、と。後で連絡がくるな。
『あいつもダメよ。せっかく私が起こしてあげたのに、どうせならもっと綺麗なお姉さんに起こしてもらいたかった、って言ったの! 目覚まし鳥の中じゃ美人の私に対してよ!!。あいつはもう絶対にお断りよ!』
『……』
『あ~あ、あいつには言っちゃいけないこと言ったな』
『耳、壊れたんじゃない?』
『おい、今あんまり話しかけない方がいいぞ』
シュッシュッと、小さい足で足蹴りをする、今話していた目覚まし鳥の女の子。匂い袋の子じゃにけれど、みんなが少しだけ、話していた目覚まし鳥から離れた。うん、この後のご機嫌取りは、他のみんなに任せよう。だけど……。
その客もダメだな。自分で頼んでおきながら、文句を言うのはダメだ。俺はきちんと部屋番号を書き留めた。

