6階に上がると直ぐに玄関になっているわけじゃなくて。何か作業をできるよう、ちょっとしたスペースがあって、その先が玄関になっているんだけど。
そのちょっとしたスペースの所に。スノーベアーを半分くらいにした、それでも大きなスノーベアーのぬいぐるみを持った師匠が立っていた。
ちなみにスノーベアーとは、ツキノワグマを2倍くらいにした、白が強目の青色をしたクマみたいな魔獣だ。だから半分くらいの大きさのスノーベアーのぬいぐるみでも、かなりの大きさなんだよ。しかもこれ、施設の景品じゃないか?
『師匠!! いつからここに!? 連絡をくれれば、俺が師匠の所へ行ったのに」
「なに、わしもさっきまで遊んでおったんじゃよ。今日はお客がいつもよりも少なかったからの。いろいろと遊んで回れたわい。それにこの時間だと、そろそろお主達が戻ってくると思っての。じゃからここで待たせて貰ったんじゃ。ほれ、リル。これをお主にやろう。モグー叩きで、今日の記録を更新したんじゃよ」
『大っきいぬいぐるみ!! おじいちゃん、ありがとう!!』
『すみません、いただいちゃって』
「なに、わしには必要ない物じゃからな。それに家にもう何個もあるからの」
『何個も? ぬいぐるみがですか? 大人用の景品はありませんでしたか?』
「記録更新し過ぎて、景品がまだ届いていないようじゃ。それに最近どうも、ぬいぐるみを集める事にハマっておってな。じゃが、このぬいぐるみはもう持っておるから、リルにプレゼントじゃ」
『記録更新のし過ぎって、どれだけ更新しているんですか?』
「最近はあの遊びにハマっておるな。はははははっ!」
「……そうなんですね。すみません、すぐに開けます!」
俺はすぐにドアを開け、客室に師匠を通そうと思った。だけど今日、師匠は俺にマッサージを受けに来たらしく。その理由が今話していた、最近ハマっている遊びのやり過ぎで、肩と腕が疲れた、という理由らしい。
今日、午後の仕事に戻る時に、チラッと遊戯場を見た時、ある遊具の前に人盛りができていて。何かと思って近づいて見てみれば。その中心には師匠の姿が。そして見ている人達からは。
『あのお爺さん凄いな。何度やってもミスが数回だぞ』
『あれだけ長く続けていて、腕は大丈夫なのか?』
『さすが大賢者だ』
『あの景品の数が物語っているよな。いやぁ、さすがだ』
という声が。たぶん、その時遊んでいた遊具で、遊び過ぎたんだろう。
『師匠、モグー叩きですか?』
「うむ、あれは実に面白いのう」
やっぱりか。モグー叩き。この世界に住んでいる、モグーというモグラに似ている魔獣がいるんだけど。モグラ叩きってあるだろう? それのモグーバージョンのモグー叩きが、遊技場にあるんだ。係員が魔法を使い、ランダムでモグーを操作し、点数によって景品が貰える。
遊技場には他にもたくさんの遊具があって、必ず景品が貰えるようになっていてる。子供も大人も、どの種族も楽しめるように、様々な種類の景品を用意してあるぞ。子供ならおもちゃやぬいぐるみにお菓子、大人ならお酒とか日用品とかな。
それで師匠は最近、モグー叩きにハマっているらしく。ここ最近の記録更新は、全て師匠が叩き出していると。そしてその景品として、最初はお酒をもらっていたけれど。
あまりの記録更新の頻度に、お酒の景品の補充が間に合わず。代わりにぬいぐるみを貰っていたら、そのままぬいぐるみ集めにハマったと。
だけど今回は、同じぬいぐるみだったため、リルに巨大ぬいぐるみを持ってきてくれたらしい。お酒を早具補充しないと。
と、それは良いとして。いや景品がないのはダメだけど。大賢者がモグー叩きにハマってる? 師匠が遊ぶ時は、力を使わないようにしている。本気になればなんでもできちゃうからな。普通の他の人に合わせて遊んでいるんだ。
そんな師匠が、力を使わずに、真剣にモグー叩きをしている姿を考えると、どうにも違和感しかない。しかもそれで肩と腕を疲れさせるって。どれだけハマっているんだか。お客さんに言われた言葉だって。モグー叩きで、さすが大賢者だって。それ、どうなんだ?
俺はリルに先にご飯を食べているように言い、すぐにベッドを用意して、師匠のマッサージを始める。
俺はマッサージを習い始めてから少しして、ある力を手に入れた。何故かお客さんのこっている箇所や、痛めている場所が分かるようになったんだ。
もしかしたら、ご飯石を見分けられるようになったことや、凄い魔力を備わったことと、同じような感じかもしれない。衝撃により、いろいろな力を備わったついでに、この力も授かれたのかも。俺にとっては最高の力だ。
その力で師匠を診てみると、師匠が言った通り、腕と肩が、オレンジに染まって見えた。症状は軽い方から薄いオレンジに始まり、だんだんと濃くなっていって、最終的には真っ赤に見える。
今回はそこまで濃いオレンジには見えなかったけれど、ここまで疲れさせるって、本当にどれだけモグー叩きをしていたのか。
『師匠、どうでしょうか?』
「うむ。更に腕を上げたようじゃの。わしが言ったように、しっかりと努力を続けておるようじゃな。とても気持ちが良いぞ」
『ありがとうございます!!』
「このまま励むのじゃぞ」
『はい!!』
「それとのう、今日お主の所へ来たのは、何も遊んだついでではないのじゃ。情報があるんじゃよ」
『情報?』
「ケシーが目撃されたのじゃ」
『ケシーさんが!?』
そのちょっとしたスペースの所に。スノーベアーを半分くらいにした、それでも大きなスノーベアーのぬいぐるみを持った師匠が立っていた。
ちなみにスノーベアーとは、ツキノワグマを2倍くらいにした、白が強目の青色をしたクマみたいな魔獣だ。だから半分くらいの大きさのスノーベアーのぬいぐるみでも、かなりの大きさなんだよ。しかもこれ、施設の景品じゃないか?
『師匠!! いつからここに!? 連絡をくれれば、俺が師匠の所へ行ったのに」
「なに、わしもさっきまで遊んでおったんじゃよ。今日はお客がいつもよりも少なかったからの。いろいろと遊んで回れたわい。それにこの時間だと、そろそろお主達が戻ってくると思っての。じゃからここで待たせて貰ったんじゃ。ほれ、リル。これをお主にやろう。モグー叩きで、今日の記録を更新したんじゃよ」
『大っきいぬいぐるみ!! おじいちゃん、ありがとう!!』
『すみません、いただいちゃって』
「なに、わしには必要ない物じゃからな。それに家にもう何個もあるからの」
『何個も? ぬいぐるみがですか? 大人用の景品はありませんでしたか?』
「記録更新し過ぎて、景品がまだ届いていないようじゃ。それに最近どうも、ぬいぐるみを集める事にハマっておってな。じゃが、このぬいぐるみはもう持っておるから、リルにプレゼントじゃ」
『記録更新のし過ぎって、どれだけ更新しているんですか?』
「最近はあの遊びにハマっておるな。はははははっ!」
「……そうなんですね。すみません、すぐに開けます!」
俺はすぐにドアを開け、客室に師匠を通そうと思った。だけど今日、師匠は俺にマッサージを受けに来たらしく。その理由が今話していた、最近ハマっている遊びのやり過ぎで、肩と腕が疲れた、という理由らしい。
今日、午後の仕事に戻る時に、チラッと遊戯場を見た時、ある遊具の前に人盛りができていて。何かと思って近づいて見てみれば。その中心には師匠の姿が。そして見ている人達からは。
『あのお爺さん凄いな。何度やってもミスが数回だぞ』
『あれだけ長く続けていて、腕は大丈夫なのか?』
『さすが大賢者だ』
『あの景品の数が物語っているよな。いやぁ、さすがだ』
という声が。たぶん、その時遊んでいた遊具で、遊び過ぎたんだろう。
『師匠、モグー叩きですか?』
「うむ、あれは実に面白いのう」
やっぱりか。モグー叩き。この世界に住んでいる、モグーというモグラに似ている魔獣がいるんだけど。モグラ叩きってあるだろう? それのモグーバージョンのモグー叩きが、遊技場にあるんだ。係員が魔法を使い、ランダムでモグーを操作し、点数によって景品が貰える。
遊技場には他にもたくさんの遊具があって、必ず景品が貰えるようになっていてる。子供も大人も、どの種族も楽しめるように、様々な種類の景品を用意してあるぞ。子供ならおもちゃやぬいぐるみにお菓子、大人ならお酒とか日用品とかな。
それで師匠は最近、モグー叩きにハマっているらしく。ここ最近の記録更新は、全て師匠が叩き出していると。そしてその景品として、最初はお酒をもらっていたけれど。
あまりの記録更新の頻度に、お酒の景品の補充が間に合わず。代わりにぬいぐるみを貰っていたら、そのままぬいぐるみ集めにハマったと。
だけど今回は、同じぬいぐるみだったため、リルに巨大ぬいぐるみを持ってきてくれたらしい。お酒を早具補充しないと。
と、それは良いとして。いや景品がないのはダメだけど。大賢者がモグー叩きにハマってる? 師匠が遊ぶ時は、力を使わないようにしている。本気になればなんでもできちゃうからな。普通の他の人に合わせて遊んでいるんだ。
そんな師匠が、力を使わずに、真剣にモグー叩きをしている姿を考えると、どうにも違和感しかない。しかもそれで肩と腕を疲れさせるって。どれだけハマっているんだか。お客さんに言われた言葉だって。モグー叩きで、さすが大賢者だって。それ、どうなんだ?
俺はリルに先にご飯を食べているように言い、すぐにベッドを用意して、師匠のマッサージを始める。
俺はマッサージを習い始めてから少しして、ある力を手に入れた。何故かお客さんのこっている箇所や、痛めている場所が分かるようになったんだ。
もしかしたら、ご飯石を見分けられるようになったことや、凄い魔力を備わったことと、同じような感じかもしれない。衝撃により、いろいろな力を備わったついでに、この力も授かれたのかも。俺にとっては最高の力だ。
その力で師匠を診てみると、師匠が言った通り、腕と肩が、オレンジに染まって見えた。症状は軽い方から薄いオレンジに始まり、だんだんと濃くなっていって、最終的には真っ赤に見える。
今回はそこまで濃いオレンジには見えなかったけれど、ここまで疲れさせるって、本当にどれだけモグー叩きをしていたのか。
『師匠、どうでしょうか?』
「うむ。更に腕を上げたようじゃの。わしが言ったように、しっかりと努力を続けておるようじゃな。とても気持ちが良いぞ」
『ありがとうございます!!』
「このまま励むのじゃぞ」
『はい!!』
「それとのう、今日お主の所へ来たのは、何も遊んだついでではないのじゃ。情報があるんじゃよ」
『情報?』
「ケシーが目撃されたのじゃ」
『ケシーさんが!?』

