「あぶぅ」
目の前にこれから俺達が住む家が。遠くで見たよりも、そして思っていたよりも大きな家に、思わず声が出てしまった。遠くから見た時、ここまでの大きさだったか? 普通の感覚でいくと、日本の平均的な2回建ての家だと思ったんだけどな?
今、目の前に建っている家は3階建てで、横を通り過ぎたけど、広さもかなりありそうな家だった。
「さぁ、入りましょう。そうそう、向こうが私達の畑よ。そろそろ収穫できるものがあるから、今度見せてあげるわね」
そう言ったレイナさんの見ている方を見れば、そこには緑の草でいっぱいの畑が。そしてその葉の所々に、トマトに似ている実が見えた。あれが収穫間近のやつだろうか? それとも奥にまだ何かなっているのか。
「ミルバーン、これがお前達の家の鍵だ。私達には関係ないが、この子が大きくなった時には必要になるだろう。なにしろこの子は人間だからな。私達が使える魔法が、この子は使えないものもある。鍵はこの子のための物だ。しっかりしまっておくんだぞ」
「はあぁぁぁ」
大きなため息を吐くミルバーン。俺達だってため息を吐きたいよ。でも決まった事なんだ。しょうがないじゃないか。それに俺は文句ばかり言えないからな。
ただでさえ赤ん坊なんて面倒だろうに、何処の誰とも分からない、しかもエルフでもない人間の俺を、迎え入れてくれただけでなく。育ててくれると、家まで用意してくれたんだぞ。こんな素晴らしい事があるなんて。それなのにいつまでも文句を言ったら失礼だ。
「******」
「******」
「******」
「今のは、なくさないでよ。この子のだよ。絶対だからね。と言ったのよ」
蝶達とスライムは、納得していないけど。しかも信用してない感じだし。睨み合うミルバーンとみんな。
「とりあえず入りましょう。そして家の中を見てまわって。一応は揃えてあるけれど、必要な物が他にもないか確認をしないと。その後も大事な、やらないといけない事が控えているわ」
ミルバーンは嫌そうな顔をしながら、取っ手部分に手を触れ、それから何かを囁いた。すると小さい魔法陣のような物が浮かび、ガチャとドアが開く音が。何をしたんだろう?
不思議に思いながらも聞聞く暇もなく、そのまま順番に家の中へ入って行く。いやみんなに言って伝えてもらっても良かったんだけど、まだまだ睨み合っていたからさ。
中に入れば外で見た通り、とても広い家だった。全てが木でできていて、木の良い匂いがする、新築って感じの家だ。
1階には台所と、リビングと食事をする部屋は分かれていて、それぞれがとっても広い。それからお客さんが来た時用に使ったり、自分の仕事部屋にしたりと、自由に使える部屋が4部屋。他には大きな荷物を収納する場所が。
それと俺が1階で安心して遊べるようにと、遊び部屋が1つ。ただ、この俺の遊び部屋、不思議な物が生えていた。
それを気にしながら2階へ。2階にはそれぞれの部屋が用意してあった。ミルバーンの部屋、俺と蝶達とスライムの部屋。蝶達とスライムの特別部屋。他にもまだ何も決まっていない部屋が2部屋程。そして2階にもあった、俺達の遊び部屋。その遊び部屋にもある物が生えていて。
ただ変わっているのはそれだけじゃなかった。蝶達とスライム達の特別部屋だけど、部屋の中は森の中そのもので。土と草と花が生えていて、小さな木まで生えていてさ。本当に小さな森の中って感じなんだ。
ドライアドのアイラさんと共に生きていたみんな。アイラさんの周りには、それはそれは素晴らしい自然が広がっていて。みんなその素晴らしい世界で生きて来たんだ。
そしてエルフは自然を大切にしている種族っていうのは、本で見た事があるけれど。それはここのエルフも同じで、みんな自然を大切に、自然と共にいきている。
だけどもっと身近に自然を感じられるように、アイラさんの気配を感じられるようにって。アイラさんがこの部屋を作ったらしい。
これで何もない状態でアイラさんと連絡を取るよりも、もっと素早く確実に連絡を取れると。3匹がとっても喜んでいた。やはり俺と家族になると言っても、アイラさんと離れるのは寂しかったんだろう。でもこれで少しは、寂しい思いをしないで済むなら良かった。
最後3階。3階はまだ何も決まっていない部屋ばかりだった。俺達の遊び部屋を除いては。この部屋も他の何も決まっていない部屋同様、後で自分達で考えて自由に使えば良いって。
と、これで一応全部の部屋を確認したんだけど。ほらさっきから言っていた。俺達の遊び部屋に生えている物。それが3階の部屋にも生えていて。その正体は……。
大きな大きな木だ。部屋の中に大きな木が生えていて、それが3階部分を突き破って、屋根もちょっと突き破っていたんだ。いやさ、外から見た時変だとは思ったんだけど。何で屋根に木?って。
そしてその家に生えている木だけど。1階、2階、3階で別々の使い道が。1階の木には、エルフ達が木から下りる時に、木に付けられていた階段が設置されていたけど。その小さいバージョンの階段が、木に付いていて。
それから壁から木に向かって、床スレスレに揺れる小さな橋まで付いていたんだ。おもちゃじゃないぞ、本当にしっかりとした、本物の小さいバージョンだ。
これは俺の遊び遊具で、遊びながら練習もできるようにって、シャノンさんが考えてくれた物だった。ほら大きくなれば、外での行動も増えるし、その時にちゃんと階段や橋を渡れるようにって。
そして2階の遊び部屋には、木から滑り台が伸びていて、まさかの外に続いていた。これも大きくなったら遊べるようにって。
後はハシゴみたいな物と縄が結んであって。ぶら下がって遊ぶか、何か自分達で遊びを考えて、自由に使えば良いって。
最後3階には枝にぶら下がっているブランコが。それと巣箱が付いていたよ。よく小鳥が遊びに来るから、きっとその子達と仲良くなれるはず。それならその子達の休める場所があった方が良いって。
本当にこの家は、大きな大きなツリーハウスっていうか、森の家って感じだった。
目の前にこれから俺達が住む家が。遠くで見たよりも、そして思っていたよりも大きな家に、思わず声が出てしまった。遠くから見た時、ここまでの大きさだったか? 普通の感覚でいくと、日本の平均的な2回建ての家だと思ったんだけどな?
今、目の前に建っている家は3階建てで、横を通り過ぎたけど、広さもかなりありそうな家だった。
「さぁ、入りましょう。そうそう、向こうが私達の畑よ。そろそろ収穫できるものがあるから、今度見せてあげるわね」
そう言ったレイナさんの見ている方を見れば、そこには緑の草でいっぱいの畑が。そしてその葉の所々に、トマトに似ている実が見えた。あれが収穫間近のやつだろうか? それとも奥にまだ何かなっているのか。
「ミルバーン、これがお前達の家の鍵だ。私達には関係ないが、この子が大きくなった時には必要になるだろう。なにしろこの子は人間だからな。私達が使える魔法が、この子は使えないものもある。鍵はこの子のための物だ。しっかりしまっておくんだぞ」
「はあぁぁぁ」
大きなため息を吐くミルバーン。俺達だってため息を吐きたいよ。でも決まった事なんだ。しょうがないじゃないか。それに俺は文句ばかり言えないからな。
ただでさえ赤ん坊なんて面倒だろうに、何処の誰とも分からない、しかもエルフでもない人間の俺を、迎え入れてくれただけでなく。育ててくれると、家まで用意してくれたんだぞ。こんな素晴らしい事があるなんて。それなのにいつまでも文句を言ったら失礼だ。
「******」
「******」
「******」
「今のは、なくさないでよ。この子のだよ。絶対だからね。と言ったのよ」
蝶達とスライムは、納得していないけど。しかも信用してない感じだし。睨み合うミルバーンとみんな。
「とりあえず入りましょう。そして家の中を見てまわって。一応は揃えてあるけれど、必要な物が他にもないか確認をしないと。その後も大事な、やらないといけない事が控えているわ」
ミルバーンは嫌そうな顔をしながら、取っ手部分に手を触れ、それから何かを囁いた。すると小さい魔法陣のような物が浮かび、ガチャとドアが開く音が。何をしたんだろう?
不思議に思いながらも聞聞く暇もなく、そのまま順番に家の中へ入って行く。いやみんなに言って伝えてもらっても良かったんだけど、まだまだ睨み合っていたからさ。
中に入れば外で見た通り、とても広い家だった。全てが木でできていて、木の良い匂いがする、新築って感じの家だ。
1階には台所と、リビングと食事をする部屋は分かれていて、それぞれがとっても広い。それからお客さんが来た時用に使ったり、自分の仕事部屋にしたりと、自由に使える部屋が4部屋。他には大きな荷物を収納する場所が。
それと俺が1階で安心して遊べるようにと、遊び部屋が1つ。ただ、この俺の遊び部屋、不思議な物が生えていた。
それを気にしながら2階へ。2階にはそれぞれの部屋が用意してあった。ミルバーンの部屋、俺と蝶達とスライムの部屋。蝶達とスライムの特別部屋。他にもまだ何も決まっていない部屋が2部屋程。そして2階にもあった、俺達の遊び部屋。その遊び部屋にもある物が生えていて。
ただ変わっているのはそれだけじゃなかった。蝶達とスライム達の特別部屋だけど、部屋の中は森の中そのもので。土と草と花が生えていて、小さな木まで生えていてさ。本当に小さな森の中って感じなんだ。
ドライアドのアイラさんと共に生きていたみんな。アイラさんの周りには、それはそれは素晴らしい自然が広がっていて。みんなその素晴らしい世界で生きて来たんだ。
そしてエルフは自然を大切にしている種族っていうのは、本で見た事があるけれど。それはここのエルフも同じで、みんな自然を大切に、自然と共にいきている。
だけどもっと身近に自然を感じられるように、アイラさんの気配を感じられるようにって。アイラさんがこの部屋を作ったらしい。
これで何もない状態でアイラさんと連絡を取るよりも、もっと素早く確実に連絡を取れると。3匹がとっても喜んでいた。やはり俺と家族になると言っても、アイラさんと離れるのは寂しかったんだろう。でもこれで少しは、寂しい思いをしないで済むなら良かった。
最後3階。3階はまだ何も決まっていない部屋ばかりだった。俺達の遊び部屋を除いては。この部屋も他の何も決まっていない部屋同様、後で自分達で考えて自由に使えば良いって。
と、これで一応全部の部屋を確認したんだけど。ほらさっきから言っていた。俺達の遊び部屋に生えている物。それが3階の部屋にも生えていて。その正体は……。
大きな大きな木だ。部屋の中に大きな木が生えていて、それが3階部分を突き破って、屋根もちょっと突き破っていたんだ。いやさ、外から見た時変だとは思ったんだけど。何で屋根に木?って。
そしてその家に生えている木だけど。1階、2階、3階で別々の使い道が。1階の木には、エルフ達が木から下りる時に、木に付けられていた階段が設置されていたけど。その小さいバージョンの階段が、木に付いていて。
それから壁から木に向かって、床スレスレに揺れる小さな橋まで付いていたんだ。おもちゃじゃないぞ、本当にしっかりとした、本物の小さいバージョンだ。
これは俺の遊び遊具で、遊びながら練習もできるようにって、シャノンさんが考えてくれた物だった。ほら大きくなれば、外での行動も増えるし、その時にちゃんと階段や橋を渡れるようにって。
そして2階の遊び部屋には、木から滑り台が伸びていて、まさかの外に続いていた。これも大きくなったら遊べるようにって。
後はハシゴみたいな物と縄が結んであって。ぶら下がって遊ぶか、何か自分達で遊びを考えて、自由に使えば良いって。
最後3階には枝にぶら下がっているブランコが。それと巣箱が付いていたよ。よく小鳥が遊びに来るから、きっとその子達と仲良くなれるはず。それならその子達の休める場所があった方が良いって。
本当にこの家は、大きな大きなツリーハウスっていうか、森の家って感じだった。