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そうこうしている間に時は過ぎ、3月中旬。よく晴れた平日に、シュンくんの卒業式があった。
都内屈指の偏差値を誇る有名私大だ、在籍人数もマンモス級で、シュンくんは『卒業式なんて特別なことは何もないですよ』なんて言ってのける。
わたしだって一応大学を卒業しているのでその気持ちは確かにわかる。特に袴を着ない男の子の方が特別感はさらに薄れるのかもしれない。
でも、シュン美少年が真面目で勤勉なことは、たった半年一緒にいただけのわたしにでも嫌というほどわかるのだ。
それに、案外このモラトリアム期から脱する、人生最後の卒業式は、それなりに節目でもあったりする。それはわたしが年齢を重ねた分感じることでもあるだろうけれど。
せめてお祝いくらいはしたいでしょう。卒業単位取得も卒論発表も自身の努力で得たものなのだから。
なんて、数日前までそんなふうにやたらと大人ぶって、『もし時間があったら大学まで向かえにいくよ』なんて抜かしていたのに。
あろうことか仕事のミスが発覚して、有給を取っていたはずの午前中会社に出ることになってしまった。これは流石に情けなさ過ぎる。
久しぶりに自分のダメなところが露呈したような気がする。自分でも気がついていないところで、わたしはどうやら浮かれていたらしい。
そうこうしている間に時は過ぎ、3月中旬。よく晴れた平日に、シュンくんの卒業式があった。
都内屈指の偏差値を誇る有名私大だ、在籍人数もマンモス級で、シュンくんは『卒業式なんて特別なことは何もないですよ』なんて言ってのける。
わたしだって一応大学を卒業しているのでその気持ちは確かにわかる。特に袴を着ない男の子の方が特別感はさらに薄れるのかもしれない。
でも、シュン美少年が真面目で勤勉なことは、たった半年一緒にいただけのわたしにでも嫌というほどわかるのだ。
それに、案外このモラトリアム期から脱する、人生最後の卒業式は、それなりに節目でもあったりする。それはわたしが年齢を重ねた分感じることでもあるだろうけれど。
せめてお祝いくらいはしたいでしょう。卒業単位取得も卒論発表も自身の努力で得たものなのだから。
なんて、数日前までそんなふうにやたらと大人ぶって、『もし時間があったら大学まで向かえにいくよ』なんて抜かしていたのに。
あろうことか仕事のミスが発覚して、有給を取っていたはずの午前中会社に出ることになってしまった。これは流石に情けなさ過ぎる。
久しぶりに自分のダメなところが露呈したような気がする。自分でも気がついていないところで、わたしはどうやら浮かれていたらしい。



