「じゃあ俺達も行くか。店は確か、駅の方だったよな」
「今調べるね。って、あ、姫ちゃんからメッセージ来てる」
受信時間は終礼が終わってすぐ。
教室を出た後に送ってくれたのだろう。メッセージアプリを開くと、地図のスクショが貼られていた。隼人君は僕の手元を覗き込む。
「路地入ったところか」
「この置き看板が目印だって」
地図と一緒に添付されていた看板も合わせて確認する。
完全にファンシーな喫茶店だと思っていたが、看板は想像よりシックなデザインだ。少し驚いてしまう。隼人君も似たような想像をしていたらしい。
「なんかちょっと意外なデザインだな。なんというか、正統派の喫茶店っぽい」
「パフェ、美味しいといいね。今さらだけど、隼人君って甘いの大丈夫?」
「結構好き。虎太郎は?」
「僕も好き」
「甘いのといえば、虎太郎って購買のホイップジャムサンド食べたことある? 俺、購買のパンだとあれが一番好きなんだよな〜」
「美味しいよね! その時々でジャムの種類が違うのも好きなんだ〜。値段のところに貼ってあるジャムの種類はあえて見ないようにしてる」
「俺も! メジャーなイチゴとかリンゴとかも美味いけど、たまに杏やラフランスなんかが来るのもいいよな」
「この前はハスカップ美味しかったなぁ〜」
「何それ。食べたことない」
「ブルーベリーみたいな感じだったよ。酸味がちょっと強いんだ」
「美味そう。また来るかな」
ジャムの話で盛り上がりながら下駄箱へ。
行く最中でもいろんな人に声をかけられる。
「隼人、今日は弟君と一緒なんだ~」
「意外な組み合わせ」
「姫ちゃんいないと違和感あるわ~」
「ちゃんと姫ちゃんの許可取ったんか~」
「遅くなる時はちゃんと姫ちゃんにも連絡するんだぞ〜。お姉ちゃん過保護だからな」
「虎太郎君、嫌なことされそうになったら思いっきり脛蹴ってやるんだぞ」
「そそ、逃げればどうにかなるよ〜」
さすがは人気者。少し歩くだけでもいろんな人に声をかけられている。
当の本人は「どれだけ信用ないんだよ!」と唇を尖らせているが、仲がいいのは側から見ていても分かる。
今の僕ではこんな踏み込んだやり取りはできない。
そう思うと少しだけへこむ。
「虎太郎、どうかした?」
「ううん、何でもない」
「あいつらが変なことばっか言ってごめんな」
「大丈夫。隼人君が僕と一緒にいるの、珍しがるのも分かるから」
鬼瓦の虎太郎ガード厳しさは有名だからな、とボソッと呟く。遠い目をする彼に、そんなことないよと否定することはできなかった。
「今調べるね。って、あ、姫ちゃんからメッセージ来てる」
受信時間は終礼が終わってすぐ。
教室を出た後に送ってくれたのだろう。メッセージアプリを開くと、地図のスクショが貼られていた。隼人君は僕の手元を覗き込む。
「路地入ったところか」
「この置き看板が目印だって」
地図と一緒に添付されていた看板も合わせて確認する。
完全にファンシーな喫茶店だと思っていたが、看板は想像よりシックなデザインだ。少し驚いてしまう。隼人君も似たような想像をしていたらしい。
「なんかちょっと意外なデザインだな。なんというか、正統派の喫茶店っぽい」
「パフェ、美味しいといいね。今さらだけど、隼人君って甘いの大丈夫?」
「結構好き。虎太郎は?」
「僕も好き」
「甘いのといえば、虎太郎って購買のホイップジャムサンド食べたことある? 俺、購買のパンだとあれが一番好きなんだよな〜」
「美味しいよね! その時々でジャムの種類が違うのも好きなんだ〜。値段のところに貼ってあるジャムの種類はあえて見ないようにしてる」
「俺も! メジャーなイチゴとかリンゴとかも美味いけど、たまに杏やラフランスなんかが来るのもいいよな」
「この前はハスカップ美味しかったなぁ〜」
「何それ。食べたことない」
「ブルーベリーみたいな感じだったよ。酸味がちょっと強いんだ」
「美味そう。また来るかな」
ジャムの話で盛り上がりながら下駄箱へ。
行く最中でもいろんな人に声をかけられる。
「隼人、今日は弟君と一緒なんだ~」
「意外な組み合わせ」
「姫ちゃんいないと違和感あるわ~」
「ちゃんと姫ちゃんの許可取ったんか~」
「遅くなる時はちゃんと姫ちゃんにも連絡するんだぞ〜。お姉ちゃん過保護だからな」
「虎太郎君、嫌なことされそうになったら思いっきり脛蹴ってやるんだぞ」
「そそ、逃げればどうにかなるよ〜」
さすがは人気者。少し歩くだけでもいろんな人に声をかけられている。
当の本人は「どれだけ信用ないんだよ!」と唇を尖らせているが、仲がいいのは側から見ていても分かる。
今の僕ではこんな踏み込んだやり取りはできない。
そう思うと少しだけへこむ。
「虎太郎、どうかした?」
「ううん、何でもない」
「あいつらが変なことばっか言ってごめんな」
「大丈夫。隼人君が僕と一緒にいるの、珍しがるのも分かるから」
鬼瓦の虎太郎ガード厳しさは有名だからな、とボソッと呟く。遠い目をする彼に、そんなことないよと否定することはできなかった。



