恋人なのはこの場だけ

「幸運リボンは恋人限定ラブラブパフェを注文したカップルにだけ贈られる特別なリボンだから、ちゃんと二人で行って来てね」
「え」
「わたし、今日バイトだから終礼終わったらすぐ帰るけど、虎太郎ちゃんは隼人が迎えに来るまでちゃんと待っててね」
「隼人君は姫ちゃんと行くと思ってるんじゃ」
「別にわたしが行くって言ってないし。じゃ、よろしく」

 姫ちゃんが言い終わると同時に授業開始のチャイムが鳴った。遅れて、ガラガラとドアが開く音が教室中に響く。先生が来てしまった。

 姫ちゃんがどこをどうやって話したかまでは分からないが、告白と勘違いされていても不思議ではない。告白とまではいかずとも、デートの誘いではある。

 可愛い女の子との放課後デートを期待していたのに待っていたのは男でした、なんて、天国から地獄に突き落とすようなものだ。

 しかも僕は突き落とす側。今から胃と頭が痛い。

「はぁ……」
 小さくため息を吐いて、板書を写す。とてもじゃないが授業には集中できそうもない。帰ってから復習しよう。