三十分が経った頃、泳ぎ終えた田畑君がタオル片手にこちらにやってくる。様子を見に来てくれたらしい。
「弟君。いいの撮れたか?」
「うん、使えそうなのが何枚か。田畑君の写真もあるよ」
デジタルカメラを操作しながら、撮影したばかりの写真を確認してもらう。
「さすが写真部。うちの部員が記録用に撮影したのと全然違う」
「ありがとう。プールに飛び込んでスタートするところも撮れたらな~って思ってるんだけど、今日は撮れそうかな? 予定があったらでいいんだけど」
すでに撮れている写真だけでも問題はないのだが、分かりやすい絵もあった方が使う側は嬉しいはずだ。
「最後にレースするから、その時でいいか?」
「うん」
「でもこれだけ撮っていて、彼氏の写真はないんだな」
「彼氏?」
「ああ。隼人のやつ、今日は弟君にいいところを見せようと一段と気合い入ってるからなぁ。早すぎて撮りづらいなら、少しスピード落とさせるか? 折角来たんだから、部活紹介に使う以外も撮っていくといい」
田畑君はそう告げると「隼人、今泳いでるの終わったら上がってこい」と声をかける。聞こえているのだろうか。こちらの都合で中断させてしまうのは申し訳ない気もするが、それ以上に放置できないことがある。
なぜか恋人だと勘違いされていることだ。
一緒にパフェを食べに行ったあの日以降、廊下や下駄箱で会った時は軽く話す程度。連絡先は交換したが、あの日芽生えてしまいそうな気持ちにもちゃんと蓋をした。勘違いされるようなことはしていないと思うのだが……。もしや顔に出ていたのだろうか。だとしたら今日を境に距離を置かなければ。
「弟君。いいの撮れたか?」
「うん、使えそうなのが何枚か。田畑君の写真もあるよ」
デジタルカメラを操作しながら、撮影したばかりの写真を確認してもらう。
「さすが写真部。うちの部員が記録用に撮影したのと全然違う」
「ありがとう。プールに飛び込んでスタートするところも撮れたらな~って思ってるんだけど、今日は撮れそうかな? 予定があったらでいいんだけど」
すでに撮れている写真だけでも問題はないのだが、分かりやすい絵もあった方が使う側は嬉しいはずだ。
「最後にレースするから、その時でいいか?」
「うん」
「でもこれだけ撮っていて、彼氏の写真はないんだな」
「彼氏?」
「ああ。隼人のやつ、今日は弟君にいいところを見せようと一段と気合い入ってるからなぁ。早すぎて撮りづらいなら、少しスピード落とさせるか? 折角来たんだから、部活紹介に使う以外も撮っていくといい」
田畑君はそう告げると「隼人、今泳いでるの終わったら上がってこい」と声をかける。聞こえているのだろうか。こちらの都合で中断させてしまうのは申し訳ない気もするが、それ以上に放置できないことがある。
なぜか恋人だと勘違いされていることだ。
一緒にパフェを食べに行ったあの日以降、廊下や下駄箱で会った時は軽く話す程度。連絡先は交換したが、あの日芽生えてしまいそうな気持ちにもちゃんと蓋をした。勘違いされるようなことはしていないと思うのだが……。もしや顔に出ていたのだろうか。だとしたら今日を境に距離を置かなければ。



