隼人君が僕のことを好きなんてありえない。
自分にそう言い聞かせて、繋がれている方とは逆の手でスマホを構える。
「スマホのカメラでもいい?」
「もちろん」
「片手だとブレちゃうから、手を離してもらってもいい?」
最近買い換えたばかりのスマホは片手で撮影するには少し大きいのだ。それに利き手は繋がれてしまっているため、左手で取らなければいけない。
「ブレてもいいから」
「でも……分かった」
姫ちゃんのため、だから。
隼人君は写真が欲しいわけじゃない。これも演技だと心の中で自分を納得させる。
パシャっと機械音が鳴り、写真を確認する。
「俺にも送って」
隼人君はそう言ってスマホを取り出す。連絡先を交換した後で、写真を送った。彼はスマホの画面を嬉しそうに眺める。
未だ繋がれた手を見比べてふふっと笑う姿は本物の恋人のよう。
――なんて、僕の希望でしかないのだろう。こんなことを考えてしまう自分が惨めでならない。
「お待たせしました。恋人限定ラブラブパフェになります」
「ありがとうございます。うわぁ、大きいね」
「上のイチゴ、虎太郎にやるよ」
「いいの?」
「ああ、イチゴ好きだろ? ほら口開けて」
イチゴとクリームをスプーンで掬い、僕の口元に運んでくる。
ここまでしなくていいのに。恥ずかしさで頭が沸騰しそうだ。それでも頑張ってくれている隼人君の邪魔はしたくなくて、小さく口を開く。
「美味しい?」
「……うん」
「そっか。よかった」
ニコリと微笑み、自分もパフェを一口食べる。
僕もスプーンを手に取ってから、ふと気づいた。
「そうだ、写真。取らないとだったよね」
「あー、そういえばそうだったな。……うん、撮って?」
一瞬、思い切り視線を逸らされた気がしたが、勘違いだろう。
スプーン片手にピースサインをする隼人君を、今度は両手でスマホを構えて撮影する。
これで紫のリボンさえ出れば安心だ。
スマホをバッグに入れようとすると、ピコンっと通知音が鳴った。
姫ちゃんである。
バイトの休憩時間に入るにはまだ少し早い。一体何があったのだろう。急いでメッセージアプリを起動する。
『隼人に変なことされそうだった脛蹴って逃げて。私が明日、投げ飛ばすから帰宅後要報告』
どういう意味だろう。はて、と首を傾げる。けれど思い当たる節がまるでない。
自分にそう言い聞かせて、繋がれている方とは逆の手でスマホを構える。
「スマホのカメラでもいい?」
「もちろん」
「片手だとブレちゃうから、手を離してもらってもいい?」
最近買い換えたばかりのスマホは片手で撮影するには少し大きいのだ。それに利き手は繋がれてしまっているため、左手で取らなければいけない。
「ブレてもいいから」
「でも……分かった」
姫ちゃんのため、だから。
隼人君は写真が欲しいわけじゃない。これも演技だと心の中で自分を納得させる。
パシャっと機械音が鳴り、写真を確認する。
「俺にも送って」
隼人君はそう言ってスマホを取り出す。連絡先を交換した後で、写真を送った。彼はスマホの画面を嬉しそうに眺める。
未だ繋がれた手を見比べてふふっと笑う姿は本物の恋人のよう。
――なんて、僕の希望でしかないのだろう。こんなことを考えてしまう自分が惨めでならない。
「お待たせしました。恋人限定ラブラブパフェになります」
「ありがとうございます。うわぁ、大きいね」
「上のイチゴ、虎太郎にやるよ」
「いいの?」
「ああ、イチゴ好きだろ? ほら口開けて」
イチゴとクリームをスプーンで掬い、僕の口元に運んでくる。
ここまでしなくていいのに。恥ずかしさで頭が沸騰しそうだ。それでも頑張ってくれている隼人君の邪魔はしたくなくて、小さく口を開く。
「美味しい?」
「……うん」
「そっか。よかった」
ニコリと微笑み、自分もパフェを一口食べる。
僕もスプーンを手に取ってから、ふと気づいた。
「そうだ、写真。取らないとだったよね」
「あー、そういえばそうだったな。……うん、撮って?」
一瞬、思い切り視線を逸らされた気がしたが、勘違いだろう。
スプーン片手にピースサインをする隼人君を、今度は両手でスマホを構えて撮影する。
これで紫のリボンさえ出れば安心だ。
スマホをバッグに入れようとすると、ピコンっと通知音が鳴った。
姫ちゃんである。
バイトの休憩時間に入るにはまだ少し早い。一体何があったのだろう。急いでメッセージアプリを起動する。
『隼人に変なことされそうだった脛蹴って逃げて。私が明日、投げ飛ばすから帰宅後要報告』
どういう意味だろう。はて、と首を傾げる。けれど思い当たる節がまるでない。



