「話を戻しましょう。私たちが仲間である証拠、それはあなた方もすでにお気づきかと思いますが、私たちはこの時代の人間ではありません。弥生時代からはるか遠い未来から来たという共通点があります。時代を越えて来たきっかけも同じ、謎の空間に佇む城で、謎の武者から果たすべき試練を言い渡され、果たせなければ家に帰さない、そう脅迫まがいの事を言われた。間違いありませんね?」
三人は顔を見合わせる。相手の問いかけにどう答えるべきか。答えるとしたらどこまで話すべきか。
白洲の自信ある言い方からして、恐らく今話した内容が正しい事は確信しているだろう。
であれば余計な隠し事はせず、ある程度の事は話した方が怪しまれずに済むと京平は考えた。
そして白洲の問いに対し、京平は頷いた。
太市と歌織もそれに従って首を縦に振った。
「我々の試練についても確認しておきたい。武者から謎の絵巻物を見せられ、そこには『民に日の出を見せむべし』と書かれていました。鍵となる物は『金色の宝物』、失敗条件は『命を落とす』こと。我々が聞いた内容はこれで全てですが、訂正や付け加える事はありますか?」
三人は再び顔を見合わせて、頷き合う。
「間違いはありません。俺たちも同じ内容を武者から聞きました」
と、今度は太市が答えた。
「あなたはたしか、川水流 太市君ですね?答えてくれてありがとうございます。それならば私たちは正真正銘、目的を同じくする仲間です。試練を果たし、元の時代に戻れるよう、手を携えていきませんか?もちろん自由意志であり強制はいたしませんが、我々が仲間として行動する事にデメリットは何も思い浮かびません。そうでしょう?」
白洲の提案に対して、三人はまた顔を見合わせる。
「私は・・・・協力する、でいいと思うけど?」
「俺も賛成。俺たちだけだと行き詰まりを感じていたし、力を合わせた方が得だと思う」
京平は賛成だと口には出さなかったものの、反対意見も言わず、ただ首を一度縦に振った。
白洲は満足げに微笑み、三人が仲間に加わる事に同意したと受け取った。
「ちなみに、お仲間はあと二人いると聞いておりますが、ここには連れてこなかったのですか?」
尋ねられた三人はギクリとする。
白洲は、歌織の存在を報告した遥に尋ねる。
「たしか、蜂谷 歌織さんと同年齢くらいの女性と、幼い女の子が共に行動していると話していましたよね、尾内 遥さん?」
「はい・・・・女性の方は今日会えなかったので、誘えませんでした」
「女の子の方は?」
「うちらの仲間じゃなくて、この時代の子供みたいです。かおりん達がこの時代に来てから知り合って、行動を共にしてはいるけど現代から来たって事は秘密にしてるらしくて」
「蜂谷 歌織さん、間違いありませんね?」
「あ、はい。そうですけど・・・・」
「女性の方も同じです。二人ともこの時代の人間であり、僕たちとは無関係です」
京平が突然、白洲との会話に乗ってきた。
歌織と太市は一瞬目を大きく見開いたが、すぐに平静を取り戻し京平に合わせるように頷いた。
これまで喧嘩腰の言動か無言のどちらかだった京平が、自分達の情報を話し始めた事に対して、白洲は違和感を覚えた。
しかしそれに対して追求はせず、白洲は理解したように振る舞って話題を変える。

